熱需要実測及び分析
熱供給システムを検討する際に非常に重要になってくるのは、バイオマスボイラーなどから熱供給を受ける施設の熱需要変動を把握する事です。熱需要の把握ができていない場合、最適なシステム設計を行う事が困難となり、導入後の十分な効果が得られないことも少なくありません。そこで弊社では熱需要先の熱供給の実測を行い、熱需要の変動を把握することを行っています。実際に行った事例を以下に示します。
右のグラフは熱需要先に合わせて1秒~数分間隔でデータを回収し、その結果を1時間毎の負荷変動としてグラフ化したものです。このグラフを基にして月々の負荷変動をグラフ化します。グラフ化には各月の化石燃料の消費量などを参考にしております。この施設については、浴槽の清掃を行うかどうかで負荷の特性が異なることがわかったため、通常時と清掃日の2つに分けて月々の熱需要変動をグラフ化しております。その結果は以下の通りです。見てわかるように、通常時に比べて清掃日は午後の熱需要が高くなっており、1時間毎の負荷変動においては、清掃日は250,000kcal/hの集中負荷が発生している事がわかります。
これらの負荷特性からバイオマスボイラーを導入した場合の代替率検討結果を以下に示します。代替率の検討においては、バイオマスボイラーの一般的な特性を考慮したものにしております。また検討前には導入機器の想定(海外製・国内製など)についてもヒアリングを行った上で実施しております。以下の検討結果では、薪ボイラーとペレットボイラーのハイブリットシステムの検討を行った結果です。ハイブリットにすることで想定される代替率は95%を確保できることが期待できます。
このように熱需要を分析することで、期待できる代替率までを成果物として提示させて頂きます。
※ただし、代替率は熱需要システムの設計内容とその日毎の熱需要変動に大きく左右されるため、代替率の数値については保証するものではありません。